64日目 トルコ:ギュミュシュハネ → トラブゾン
この日の野宿中に事件が起きました。
早朝3時くらいにテントの外で物を漁られている音がして目が覚める。
ブルガリアでの経験もあってか、意外と冷静でした。
盗られたら困るようなものはテントに入れてるし、完璧。
ゆっくり音を立てないようにリュックを身体の前に装備し、護身用のサバイバルナイフを握りしめ、恐るおそる声をかけてみる。
が、反応なし。
思い切ってテントから出てみると、犯人の正体は、、、なんだコイツは…?
犬にしては鳴かないし尻尾も太長い、恐らくキツネでした。
病原菌的なものが怖かったので、周りの石を拾って投げつけて追い払いました。
この時点で右側のサンダルが行方不明だったけど、朝になったら探そうと決めて二度寝です。
危機管理に関しては、ブルガリアの件もあってやっぱり意識が変わりました。
野宿するときも物の管理をしっかりしてから眠りに入るように心がけて、トルコの人たちからどんなに良い施しを受けているときでも護身用のナイフをスタンバイさせて、常に最悪のシチュエーションを頭の片隅で想定するようにしています。
かといってガッチガチに警戒心MAXで旅をするのら全然楽しくないだろうし、最初から人を疑ってかかるよりはちょっとくらい裏切られて自分が傷ついた方がいいかなって思います。
幸いトルコはこれまで良い人にしか出会ってないけど、今後そこらへんのバランスというか見極めが大事になってくるな、と思いました。
んでもって最終的にこのキツネ襲来では、食料でとっておいたトルコパンと、右側のサンダルとヘルメットをどっかに持ってかれました。
余計な出費増やすなじゃコノヤロウ……
いや、100歩譲ってパンはわかる。
にしてもサンダルとヘルメットて!汗臭いだけじゃん!
ソールが頑丈でめちゃくちゃ履き心地が良くて、3年以上愛用していたKEEN製のサンダル…
地味にダメージデカいです。
というか安全面的にもヘルメットがないのは心許なさすぎます。
とりあえずうだうだ言っててもしょうがないので支度を整えて出発します。
前日頑張っただけあって下り道からのスタート。
いや、エズデミルさんの存在がデカすぎました。
トラブゾンまで残り70kmくらいです。
と思ったらトラブゾンまでずっと下りでした。
3時間もかからず、午前中に到着。
久々に黒海を見れてテンション上がりました。
のに、足元に目をやると片足ビーチサンダル。
テンションすぐ戻りました。
あらかじめ調べておいたHotel Benliという宿にチェックイン。
日本人のバックパッカー界隈ではトラブゾンの安宿と言ったらココ、って感じで有名らしいです。
ネットの口コミだとシングル一泊20リラって聞いてたんですが、最近30リラに値上げしたみたいです。
ちょっとだけ痛かったけど、やること結構あるし他に宿探すのもめんどくさかったのでまぁいいやって感じでした。
シャワーと洗濯を済ませて市街に繰り出します。
トラブゾン、すごくいい街でした。
なかなかおっきい街なのにイスタンブールみたいに人がガンガン話しかけてこない!
ゆっくり気持ちよくブラブラできます。
あとは美人さんが多い!
イスタンブールからは女性を見かけると言っても、ヒジャブで覆われたムスリムの人が大半だったので、ショートパンツとか露出の多いスカート履いてる人がいっぱいいて異世界に来たみたいでした。
ティッシュ売りの少年にちょっとだけ付きまとわれたり、
似たようなファッションブランド絶対見たことあるな、って思ったりして
なんとか靴屋にありつけました。
粘りに粘った値段交渉の末、なんとか28リラから25リラに。
最終的には綺麗な女性店員さんの営業スマイルにやられた次第であります。
履き心地は、まぁこんなもんだろって感じです。
3ヶ月くらいでぶっ壊れそうな気配しかしないけど。
次の日は本命のイラン領事館に行きました。
けど、門がガッチリ締められてて入れない。
そばにいた守衛さんっぽい人に聞いてみると、インターホンがあるから押してみろとのこと。
ありました。
押してしばらく待って、やっと繋がる。
「あの、イランビザが欲しいんですけど」
「なんちゃらナンバーは持ってる?」
「(ですよね〜)持ってないです。」
「インターネットで申請してね、何週間かかかると思うけど。それじゃ。」
ワンチャンゲットならず。
事前に調べてて知ってはいたんですけど、イランに入国したいって人は事前にお金と時間をかけてなんちゃらナンバーを手に入れてからここに来るか、イランの空港でアライバルビザをとるかの2択らしいです。
ということで、この時点で次に向かうは北東のジョージア(旧グルジア)に決定です。
トラブゾン生活はそんなもんです。
あとはそういえば、出発してからつけていた日記のノートを使い切ったので新しいノートを購入しました。
なんで意味不明な鳥のノートなのかっていうと、人気なさすぎて大量に投げ売りされてたから。
1リラもしなかったし。
現時点で3日分くらい溜めちゃってるけど、今後も地道に日記つけていこうと思います。
走行距離:70km弱
たぶんだけど、献血のバス